駆除対象外来生物

ブラックバス

ブラックバスとは、スズキ目・サンフィッシュ科の淡水魚のうち、オオクチバス属に属する8種(11亜種)の魚の総称であり、日本では、
オオクチバスの亜種であるノーザンバス、フロリダバスに加え、コクチバスの計2種2亜種が生息している。食用や釣りの対象魚などの目的で1925年に神奈川県の芦ノ湖に導入され、その後人為的な放流により分布を急激に広げ、今や全国各地の河川、湖沼に生息している。
 本種は悪食として知られており、在来魚などの魚類のほか、甲殻類、水生昆虫、水面に落下した陸上昆虫や鳥のヒナなど、様々な生物を捕食する。そのため、直接の捕食や餌資源を奪うことによって、在来魚などの他の生物に悪影響を及ぼしている。
 オオクチバス、コクチバス共に原産は北米であるが、その中でもオオクチバスはやや南方で、コクチバスはやや北方に生息しており、オオクチバスが生息できない冷温水の地帯でも、コクチバスの生息が確認されている場所もあり、結果として非常に広い範囲にブラックバスが生息している現在に至る。
 ブラックバス問題については、ブラックバスは在来種の生態系に大きな影響を及ぼすと警鐘を鳴らし、駆除する立場と、スポーツフィッシングの対象魚として絶大な人気を誇るブラックバスを全国各地に放流し、バス釣りを楽しみたいという立場とで大きく対立しており、この構図は今現在も全く変わっていない。
 世界の侵略的外来種ワースト100、日本の侵略的外来種ワースト100、外来生物法 特定外来生物指定種。

参考文献
・改訂版 河川における外来種対策の考え方とその事例 ~主な侵略的外来種の影響と対策~
 外来種影響・対策研究会監修 (財)リバーフロント整備センター発行
・ブラックバスを科学する ~駆除のための基礎資料~ 
 細谷拓海監修 近畿大学水圏生態研究室編集 (財)リバーフロント整備センター発行
・ブラックバスを退治する ~シナイモツゴ郷の会からのメッセージ~
 細谷拓海 高橋清考編

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ブルーギル

 ブルーギルとは、スズキ目・サンフィッシュ科に属する淡水魚の一種で、原産は北アメリカ東部。1966年に静岡県伊東市の一碧湖に
放流したのが最初とされていて、その後バス釣り業界の関係者や愛好家の手によりブラックバスの餌として全国各地に放流され、今では日本全国に生息地を広げている。
 在来種の魚卵や小型の魚類、プランクトンなど、様々な生物を捕食し、直接の捕食や餌資源を奪うことによって、在来種など他の生物に悪影響を及ぼしている。さらに本種は、繁殖力が非常に強く、生息できる水質が非常に幅広いため、一度放流されてしまうと、その水域から排除することは非常に難しい。
 外来生物法 特定外来生物指定種。

参考文献
・改訂版 河川における外来種対策の考え方とその事例 ~主な侵略的外来種の影響と対策~
 外来種影響・対策研究会監修 (財)リバーフロント整備センター発行
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ウシガエル

 ウシガエルとは、カエル目アカガエル科アカガエル属の一種である。原産はアメリカ東部、中部、カナダ南東部、メキシコ北東部。
水草の繁茂する流れの緩やかな河川、池沼、湖、湿地などに生息する。警戒心が強く、外敵が近づくと跳躍して逃げる。鳴き声は「ブオー、ブオー」というウシに似たもので、和名の由来にもなっている。声は非常に大きく数キロメートル離れていても聞こえることもあり、時に騒音として問題になるほどである。
食性は肉食性で昆虫類、節足動物、甲殻類などを主な食物とし、日本ではカマキリ、ヤゴ、バッタ、トンボなどをよく食べている。また、魚類、両生類、
小型爬虫類、鳥類、小型哺乳類さえも捕食することがあり、生息域の生物相に影響を与えている。また本種はカエルの仲間の中では非常に個体の大きさが大きく、体長11-18センチメートル、体重500-600グラムほどになる。そのため、日本では外敵が少なく、繁殖力も非常に強いため、生息している地域では爆発的に増加している。
 1918年に輸入されたのが最初とされており、用途は主に食用であった。そして養殖している過程で個体が逃げ出し、全国各地に生息域が広がっていったと推測される。大型かつ貪欲で、環境の変化に強い本種は在来種を捕食してしまうことが懸念されている。日本を始めアメリカや韓国では在来カエルの減少が問題視されており、本種が生息している水域では他のカエルが見られなくなってしまった場所もある
 世界の侵略的外来種ワースト100、日本の侵略的外来種ワースト100、外来生物法 特定外来生物指定種

参考文献
・改訂版 河川における外来種対策の考え方とその事例 ~主な侵略的外来種の影響と対策~
 外来種影響・対策研究会監修 (財)リバーフロント整備センター発行

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カムルチー

 カムルチーとは、スズキ目・タイワンドジョウ科に分類される魚で、肉食性の大型淡水魚である。
 水草が多く、流れが緩やかな河川や湖沼に生息し、人為的な移入により、全国各地に生息している。本種は他の魚類とは異なり、空気呼吸が可能なため、酸素量が少ない劣悪な環境でも生息できる。食性は肉食性で、昆虫類、甲殻類、小魚、カエルなど水生動物のほか、水鳥のヒナやネズミ、ヘビなどの小動物まで幅広く捕食する。
 全長90cmまで成長する大型肉食魚のため、生息域の生物相に悪影響を与えるとして、駆除対象となっている。
 外来生物法 要注意外来生物指定種

参考文献
・川・沼・湖で見られる魚のすべてがわかる 淡水魚ガイドブック  桜井淳史 渡辺昌和共著
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アメリカザリガニ

 アメリカザリガニとは、エビ目(十脚目)・ザリガニ下目・アメリカザリガニ科に分類されるザリガニの一種。
原産は北アメリカだが、日本を含む世界各地へ移入され、分布を広げた外来種である。
 体長は8cm~12cmほどで稀に20cm近い大きさの個体もいる。体色は赤色か褐色の2色である。アメリカザリガニは体色が赤いことからマッカチンという別名もあるが、色素変異などが原因により青色や白色をしている個体もいる。
平野部の水田、用水路、池など、水深が浅くて流れのゆるい泥底の環境に多く生息し、流れの速い川には生息しない。湿地に穴を掘って生息し、夜になる
と出歩いて餌を探す。冬は穴にひそんで冬眠する。
食性は雑食性で、藻類、水草、小魚、オタマジャクシ、水生昆虫、動物の死骸など何でも食べる。サバを食べると体が青くなる。天敵はオオクチバス、
ライギョ、ナマズ、ウシガエル、サギ類、イタチ、カメなどだが、餌が少ないと共食いもする。
水辺に生息する身近な水棲動物で、外敵に対しはさみで威嚇するなどの習性から子どもたちの水辺での遊び相手である。丈夫で飼育も簡単なので、学校
などでもよく飼育されており、青色や白色の体色変異個体も観賞用に珍重される。なお日本では嗜好の違いからあまり食用とされないが、原産地の北アメリカでは食用に漁獲され地元の名物料理とされている。 一方、水田では畦に穴を開け、イネの根を食い荒らすとして嫌われる。また、アメリカザリガニが侵入し繁殖した水域では水草や小動物がことごとく食い尽くされ、残るのはアメリカザリガニだけという状況が発生することもある。こうした被害をもたらすアメリカザリガニを駆逐するため、オオクチバスが放流されることがあり、悪循環につながっている。
 1927年にウシガエルの餌用として輸入され、養殖池から脱走した個体が全国各地へと分布を広げていったと考えられる。エサとして与えるはずのウシガエルも逃げ出して、アメリカザリガニ同様に全国各地に分布した皮肉な話が実在する。人の手によって日本に持ち込まれ分布を広げた動物だけに、分布地は都市近郊に点在する。
 外来生物法 要注意外来生物指定種

参考文献
・改訂版 河川における外来種対策の考え方とその事例 ~主な侵略的外来種の影響と対策~
 外来種影響・対策研究会監修 (財)リバーフロント整備センター発行


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ミシシッピアカミミガメ

 ミシシッピアカミミガメとは、カメ目ヌマガメ科アカミミガメ属に分類されるアカミミガメの亜種である。別名ミドリガメ。
原産はアメリカ、メキシコで、日本にはペット用として輸入された。流れの緩やかな河川、湖、池沼などに生息し、底質が柔らかく水生植物が繁茂し水深のある流れの緩やかな流水域や止水域を好む。日光浴を行う事を好む。冬季になると冬眠するが、南部個体群では冬季でも気温の高い日には活動する個体もいる。
食性は植物食傾向の強い雑食で、植物の葉、花、果実、水草、藻類、魚類、カエルおよびその幼生、水棲のヘビ、鳥類、昆虫、クモ、甲殻類、貝類、
カイメン、ミミズ、動物の死骸などを食べる。幼体は動物食傾向が強いが、成長に伴い植物食傾向が強くなる。
 日本では1960年代後半から飼育個体が捨てられたり、逃げ出したりして全国各地で野生化した。食物や生息場所をめぐる競争により在来種のカメを駆逐したり、捕食により在来生物群集に悪影響を与えている。
 日本の侵略的外来種ワースト100、外来生物法 要注意外来生物指定種


参考文献
・改訂版 河川における外来種対策の考え方とその事例 ~主な侵略的外来種の影響と対策~
 外来種影響・対策研究会監修 (財)リバーフロント整備センター発行

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  • 最終更新:2012-06-18 21:08:40

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